建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System)は、技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるシステムです。
担い手の確保は全産業に共通する課題です。
建設業の現場を担う技能者、とりわけ若年層の入職を進めるためには、他産業と 比べて生涯を通じて魅力的な職業、産業であることを目に見える形で示していくことが大切です。
生産労働者の年齢別賃金ピークが、製造業全体は50~54歳であるのに 対し、建設業は45~49歳と、5年ほど早く到来しています。
これは、本人の現場管理や後進の指導育成といったスキルが適切に評価されていない可能性があると考えます。
また、建設技能者は、異なる事業者の様々な現場で日々働いているため、個人を 能力評価する業界横断的な統一の仕組みが存在せず、本人のスキルアップが処遇の向上にはつながっていかないという業界の構造的な問題があります。
CCUSは、技能者が本人であることを確認したうえでシステムに登録し、IDが付与されたCCUSカードを交付することがスタートになります。
その上で、いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場(職長など)で働いたのかを就業履歴として電子的に記録・蓄積します。
並行して資格の取得や講習の受講履歴など、技能・研鑽の記録を登録します。
CCUSに登録された情報を元に、一人ひとりの技能者の評価が適切に行われ、処 遇の改善に結びつけること、さらに人材育成に努め優秀な技能者をかかえる専門工事業者の施工能力を見える化することで、建設業界が健全に維持されることを目指しています。